金曜日のcookbookランキング

#025 オルタナティヴなcookbook

Junicci Hayakawa / 早川 純一
ククブク
Published in
6 min readJul 7, 2017

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7月になりました。

九州地方ではひどい豪雨が続いていますね。

被害に遭われた方々が、少しでも早く日常を取り戻せることを心よりお祈り申し上げます。

季節は夏至から小暑に移り変わり、今週の七十二候は「温風至(あつかぜいたる)」。

これはもう読み上げたくもないほどに文字のままの意味で、この頃になると南から吹く風も熱を帯びはじめ、本格的な夏の暑さがやってくることを告げてくれます。

この時期に旬をむかえる食べものには、鱧やシシトウ、プラムなどがありますね。

シシトウってほとんどは辛くないのに、まるで罰ゲームみたいに時々辛いものに当たることがありますが、あれは生育時のストレス(気温や水量)が影響しているんだそうです。

他者を傷つけようとする因子の由来がストレスにあるというのは、ぼくたちがもっと食べものから学ぶべきことのひとつのような気がします。

それでは、今週のAmazon.co.jpの売れ筋ランキングを見てみましょう!

  1. Mari Nameshida『JAPANESE RECIPES from MARI’S TOKYO KITCHEN』(ぴあ株式会社)
  2. Janice Poon『Feeding Hannibal: A Connoisseur’s Cookbook』(Titan Books)
  3. Ina Yalof『Food and the City: New York’s Professional Chefs, Restaurateurs, Line Cooks, Street Vendors, and Purveyors Talk About What They Do and Why They Do It』(G.P. Putnam’s Sons)
  4. Steve Roden『Krazy Kids’ Food!: Vintage Food Graphics』(Taschen America Llc)
  5. Karen Mordechai『Simple Fare: Spring and Summer』(Harry N. Abrams)
  6. Le Cordon Bleu編『Le Cordon Bleu at Home』(William Morrow Cookbooks)
  7. Isabelle Legeron『Natural Wine: An introduction to organic and biodynamic wines made naturally』(CICO Books)
  8. Dominique Ansel『Dominique Ansel: Secret Recipes from the World Famous New York Bakery』(Murdoch Books)
  9. 『KINFOLK VOLUME SIX』(WELDON OWEN)
  10. Elisa Menduni『Sicilia: Sicilian Traditions, Food and Wine』(Mondadori)

出典:Amazon.co.jpランキング(すべてのカテゴリ > 洋書 > Cookbooks, Food & Wine / Kindle版は除く)

今週は滑志田真理さんの『JAPANESE RECIPES from MARI’S TOKYO KITCHEN』が1位に返り咲き。

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2位もジャニス・プーンの『Feeding Hannibal: A Connoisseur’s Cookbook』と、今年前半に安定して売れていたcookbookが後半も勢いを維持しています。

そして今週ククブクが注目したいのが、5位にランクインした『Simple Fare: Spring and Summer』。

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著者のカレン・モーデカイは、ニューヨークのブルックリンを拠点としてフード・コミュニティーの「サンデー・サパーズ」を運営しているフォトグラファー。

フード雑誌などで活躍していた彼女は、友人たちが食事を持って集まるいわゆる「ギャザリング・パーティー」をきっかけに、食べ物と自然、人間のライフスタイルについて考えるサンデー・サパーズを立ち上げました。

白を基調としたナチュラルで清潔感がある彼女のブログは、フード&ワイン誌のデジタル・アワードやサヴール誌のフードブログ賞など、いままでに数々の賞を受賞しています。

今週5位の『Simple Fare: Spring and Summer』は、そんなカレンの2冊目のcookbookで、料理を作ろうと思ったときにマーケットで売られているもので対応できるよう、レシピごとに3種類から5種類の代用品によるヴァリエーションが載っているのが、大きな特徴となっています。

『Simple Fare: Spring and Summer』より

例えば、スモークしたビーツと紫ケール、ラディッキオ、リコッタチーズのパンツァネッラ(パンサラダ)のレシピでは、ニンジンや水菜、クレソン、ヨーグルトなどを代用品として提案してくれます。

『Simple Fare: Spring and Summer』より

サブタイトルに「Spring and Summer」とあるので、きっと第2段として『Simple Fare: Autumn and Winter』の発売も予定しているんでしょうね。

それでは、また来週お会いしましょう!

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ライター、フォトグラファー。わかさいも本舗さんのウェブサイトのコピーなど。海外の料理本を紹介するサイト「ククブク」は現在お休み中。ロン・パジェットの詩を趣味で訳してます。プロフィール画像は有田カホさんに描いていただきました。