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ポートランドのシェフおすすめ、料理好き独身男性がちょっとドヤれる食料品5選

挽き具合にこだわった黒胡椒から完全無添加の魚醤まで

Junicci Hayakawa / 早川 純一
ククブク
Published in
9 min readOct 3, 2017

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男性ファッション誌「GQ」のサイトを巡回していたら、ポーランドにある「エイヴァ・ジーンズ」のジョシュア・マクファデンに尋ねた「寂しい独身者の冷蔵庫を正すための、シェフおすすめの5つの方法」という記事が載っていました。

ジョシュア・マクファデンといえば、今年の春にcookbook『Six Seasons: A New Way with Vegetables』を出版したシェフ。

4月にこのククブクでもご紹介しましたね。

『Six Seasons』はぼく自身購入をし、ページを開くたびに「やっぱりいいcookbookだなあ」と思っているんですが、そんなジョシュアが店でも家でも使っている食品について、コメント付きで紹介していたので、ちょっとのぞいてみることにしました。

ポートランドにある、ローマをイメージした心地よいレストラン「エイヴァ・ジーンズ」でジョシュア・マクファデンが提供している食事には、その正体を突き止めることはかなり難しいが、ゆったりと椅子に腰掛けて「いったい彼はどうやってこんな信じられないくらい素晴らしい味を作ることができるのだろう?」と思わせるフレーバーがある。その秘訣は、マクファデンの品揃え豊富で先進的な調味料のパントリーにあった。

家庭では、マクファデンの冷蔵庫は空っぽである。魔法が生じているのはパントリーだ。そこにはウォルナット製のペッパーミルや、彼の財産ともいえる豆類、その他のまだ取り上げられていないソースなどが保存されている。レストランでも家庭でも、スパゲッティ・アッラ・ノルマやラディッシュ・サラダを本当に歌わせるために、彼はそれらを使用するのだ。

スパゲッティ・アッラ・ノルマというのは、シチリアの名物であるナスとリコッタチーズのトマトソースのパスタです。

たんぱく質、農産物、そしてパスタはアラミニュット(料理を作る直前という意味で、作り置きしない料理のこと)に最適だというのが、彼の哲学。もしパントリーにマクファデンのようなシーズニングの幅広い選択肢があれば、生の素材を使って、フライパンで美味しい食事を手早く作ることができる(彼の新しいcookbook『Six Seasons: A New Way With Vegetables』からヒントを得ることだってできる)。キッチンでそんな特徴的なイタリアンスタイルの魔法を使いこなすために、以下を読んで、彼がいつも手許に置いている5つのアイテムを知ってほしい。

ということで、以下、5つの食品(ひとつはそれを作るための器具)が紹介されていきます。

良い食感の胡椒

「このペッパーミルの最重要部分は、ステンレス製のグラインダーです。他のグラインダーでは、細かく挽きすぎて何も食感を加えないか、不均一できめが粗くなってしまうかのどちらかです。このグラインダーは、本当に味わって食べることができる挽き具合の胡椒にすることができるんです。とても良い食感になります。カチョ・エ・ペペのような料理では、数種類の異なった挽き具合の胡椒が欲しくなります。こうした多様な食感の組み合わせが、料理を面白いものにしてくれるんです。木製なのも大好きな理由です」

紹介されているのは、「Fletchers’ Mill Federal Pepper Mill」というオーソドックスなかたちをしたペッパーミル。

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でも挽き具合にこだわれば、いわゆるデザイナーものよりも、こういったオーソドックスなもののほうがいいんでしょうね。

GQの記事に添付されていた写真は、ウォルナット製のもの。

50ドル近い価格が品質の良さを物語っています。

木製でにぎり心地も良さそう!

これは日本のAmazonでも購入できるようですね。

ワインのように飲める酢

「この酢は信じられないほどナチュラルで、バランスも良く、甘酸っぱい風味を持っています。スーパーで買う一次元的な酢とはまったく違います。ブドウの風味、美しい干しブドウのようなフレーバーを感じるはずです。ゲストにどうして料理がこんなにおいしいのかと訊かれたら、私はよくこの酢を説明するんです。私のお気に入りは、昨シーズンのソーヴィニョン・ブランのもの。甘くてフルーティーで、ちょうどワインのような味がしますよ」

紹介されているのは「Katz Late Harvest Sauvignon Blanc Agrodolce Wine Vinegar」という、ナパ西部のスイスンバレーで作られているお酢。

ラムやシェリーのような見た目ですね。

「Agrodolce」というのは、イタリア語で甘酸っぱいという意味。

ソーヴィニョン・ブランを使っているというだけで贅沢な気がするなあ。

375mlで12ドル。

最高の豆

「これは究極の豆、豆のなかの豆です。ふっくらとしていて、土の香りがして、甘く、加熱すると生じる水分は黄金のようです。パスタに入れてもいいですし、ピューレにしてハーブとオリーヴオイルを加えれば、本当に驚きのスプレッドにもなります。どんな目的にも使えるし、もともとのフレーバーが信じられないくらい良いので、あまり手の込んだことをしないでオーケーです」

「Rancho Gordo Cranberry Beans」は、こちらもナパで生産されている、クランベリービーンという豆。

クランベリーのような紅色のマーブルになっているのが特徴で、イタリア料理やポルトガル料理などでよく使われています。

このランチョ・ゴルドのものは特に皮が薄くやわらかで、煮込み料理に最適だそうですよ。

こんど煮込んでみるか〜。

1ポンド(約450グラム)で約6ドル。

添加物の入っていない魚醤

「ほとんどの魚醤について、私はその原材料リストを疑っています。正確には何が入っているの、って感じです。レッド・ボート・フィッシュソースは、私が見つけた自然原料100パーセントで、添加物が入っていない魚醤のひとつです。おいしいですよ。ほかの魚醤に比べてコクがあって、ふくらみがある。色味もいいですよね。レストラン準備のためにローマ料理を調査しているとき、たくさんの魚醤を使う料理だってことに気づいたんです。それで料理によって塩のかわりにレッド・ボートを使い始めました。ほかのものからは得られない、深くてカラメルのようなフレーバーを与えてくれるんです。ソテーした野菜、グリルした肉、シンプルなパスタにかけてもいいですね。この品質に勝るものはありません」

オススメの「Red Boat Fish Sauce」は、サイゴン出身のオーナー、クォン・ファム氏がカリフォルニア州ミルピタスで生産している魚醤。

天然のカタクチイワシと海塩だけで作られているんだそうですよ!

レッド・ボートのサイトには、多くの有名シェフたちによるこの魚醤を使ったレシピにリンクが貼られていて、これはとても役に立ちます。

250mlのボトルで9ドルでした。

最高の風味に富んだオイル

「いままでにこんなオイル使ったことがないと思いますよ。私はこれをコーネル大学の教授に紹介されました。彼はバターナッツカボチャの種をローストして、そこからオイルを絞るんです。そうすると、こんな信じられないフレーバーになるんです。ごま油って単調で、ちょっと嫌なにおいがするでしょう? このオイルは、ごま油で風味づけしたいときに、ごま油ではできないことをしてくれます。とてもハイレベルな深いフレーバー、信じられないほどの粘り、そして私の好きなトロピカルでフルーティでナッツのような香りを与えてくれるんです。カボチャのサラダをたくさん作るのですが、このオイルを加えると、カボチャがより風味豊かになるんですよ」

最後に紹介されていたのは「Stony Brook WholeHearted Foods Butternut Squash Seed Oil」という、パンプキンシードオイル。

これだけ東海岸の製品ですね。

クッキーを作る際に捨てられていたバターナッツカボチャの種を、どうにか再利用できないかと持ち込まれ、このオイルが誕生したんだそうですよ。

187mlで約12ドル。

日本国内で入手するのは難しいものばかりですが、覚えておいてお土産リストに加えるといいですよね。

もし入手できたら、ジョシュアのcookbookのレシピを参考にしてみてくださいね。

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外国の食品でクオリティーの高いものは、これからも紹介できたらなと思います。

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ライター、フォトグラファー。わかさいも本舗さんのウェブサイトのコピーなど。海外の料理本を紹介するサイト「ククブク」は現在お休み中。ロン・パジェットの詩を趣味で訳してます。プロフィール画像は有田カホさんに描いていただきました。