金曜日のcookbookランキング
#069 自己免疫不全なんかであきらめない!
新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。
5月第3週のランキングをお伝えします。
暑い日が続いていますが、今週は千葉市に出かけてきました。
目当ては、このツリーハウス。
千葉公園の近くにある「椿森コムナ」というコミュニティシェアスペースのなかにあります。
公園内にはカフェバンビというフードトラックがあり、そのほか日替わりのフードトラックが出張していて、この日はカレー屋さんとスペシャルティコーヒーのトラックが出店していました。
テントもあって、有料ですが申し込みをすればパーティーなどでの利用も可能。
野菜の直売所などもあって、朝の体操帰りのお年寄りから、夜の勤め帰りのサラリーマンまで、まさに老若男女が集まる「コミュニティスペース」になっているようでしたよ。
お近くのかたはぜひ足を運んでみてくださいね。
それでは、今週のcookbookのランキングを見ていきましょう!
- Mary Berry『100 Cakes and Bakes: My Kitchen Table』(BBC Books)
- Yotam Ottolenghi『Ottolenghi Simple: A Cookbook』(Ten Speed Press)
- Jacob Kenedyほか『The Geometry of Pasta』(Boxtree Ltd)
- Hubertus P. Bellほか編『What’s Cooking in Chemistry?: How Leading Chemists Succeed in the Kitchen』(Wiley-VCH)
- Marcella Hazan『Essentials of Classic Italian Cooking』(Boxtree Limited)
- Annabel Karmel『Top 100 Baby Purees』(Atria Books)
- Jacqueline Burt Cote『Fast & Fresh Baby Food: 120 Ridiculously Simple and Naturally Wholesome Baby Food Recipes』(Rockridge Pr)
- 岡倉覚三『The Book of Tea』(Benjamin Pr)
- Mickey Trescott『The Autoimmune Paleo Cookbook: An Allergen-Free Approach to Managing Chronic Illness』(Chelsea Green Pub Co)
- Jayne Cross『Great British Bake Off — Bake it Better (№5): Puddings & Desserts』(Hodder & Stoughton)
出典:Amazon.co.jpランキング(すべてのカテゴリ > 洋書 > Cookbooks, Food & Wine / Kindle版は除く)
今週はベイクオフから岡倉天心まで、またバラエティー豊かなcookbookが揃いましたね。
今週の第1位は、イギリスの人気料理コンペ番組「The Great British Bake Off」のジャッジとしておなじみ、メアリー・ベリーの『100 Cakes and Bakes: My Kitchen Table』でした。
このかた、ベイキング界では知る人ぞ知る存在だったのですが、70歳を過ぎてからのテレビ出演で一気にブレイクして、さながらイギリスの「ひふみん」といった感じです。
こういう風に自分の道をつらぬいて、老いてもパワーのあるひとになりたいものです。
そして第2位には、ちょうど1か月ほど前に発売情報をお伝えした『Ottolenghi Simple: A Cookbook』が、発売前にもかかわらずのランクイン。
こっちか〜。
シンプルな表紙のイギリス版よりも、写真の表紙のアメリカ版のほうが日本人には受けるんでしょうかね
第3位の『The Geometry of Pasta』は、以前にご紹介した『The Grammar of Spice』と同じ著者によるパスタ大全です。
そして今週ククブクが注目したいのは、第9位にランクインした『The Autoimmune Paleo Cookbook』。
「autoimmune」というのは医学用語で「自己免疫」のこと。
つまり『The Autoimmune Paleo Cookbook』は、自己免疫疾患の患者のためのcookbookなんですね。
ぼく自身が潰瘍性大腸炎をわずらっているので(現在は寛解継続中)、やはりこういうcookbookに目がいってしまいます。
どんな料理が掲載されているかというと、炎症などを引き起こすトリガーとなる食品(穀物、豆、乳製品、卵、ナッツなど)を除去したものと、腸内を治癒するためのもの、この2本の柱を軸にしてcookbookが構成されています。
著者は、料理家/ライター/写真家でもあるミッキー・トレスコット。
セリアック病(いわゆる「グルテン不耐症」)と橋本病に罹患した経験のある彼女は、自分自身の栄養療法の経験をシェアしようと、ブログを開設します。
このブログや、栄養セラピストとして活動した経験をもとに書いたのが、本書『The Autoimmune Paleo Cookbook』なんですね。
112種類のレシピはすべて写真付きで、ちょっと食事をするのがきついような症状のときにも、目で料理を味わえるということを配慮しているんだと思います。
自己免疫疾患は食べものだけでなく、ストレスなども含めた複合的な原因で発症すると考えられているので、食事制限でストレスをためてしまうと、それはそれで症状がおさまらないということになってしまうんですよね。
本書のようなレシピ集があると、自己免疫不全の治療計画をストレスなく毎日のルーチンに組み込むことができるので、とても助かります。
といったところで、今週のランキングはここまで。
また来週をお楽しみに!