金曜日のcookbookランキング
#089 シーフードが得意なシェフのベジタリアン料理
新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。
10月第1週のランキングをお伝えします!
先週末は、展覧会の撮影と次のグループ展の搬入のために新城市へ。
見事に台風が直撃し、ホテルが停電になって電気も水も使えない!という貴重な経験をしました。
そんななかとても感動したのが、台風翌日のDCMカーマ新城店の対応。
停電でお店の設備が完全に使えるわけではないにもかかわらず、時間通りに開店して、客ひとりひとりに懐中電灯を持った店員さんがつきっきりで買い物のお手伝い。
クレジットカードは使えませんでしたが、現金精算で無事に必要な資材を購入することができました。
聞けば、店員さんの自宅も台風で荒れていたけれども、職場を優先して出社して、家の片付けは後回しだとのこと。
全国的に知名度のある会社は、スタッフさんの仕事に対するプライドも違うなーとつくづく思いましたよ。
それでは、今週もランキングを見ていきましょう!
- René Redzepiほか『The Noma Guide to Fermentation: Including Koji, Kombuchas, Shoyus, Misos, Vinegars, Garums, Lacto-Ferments, and Black Fruits and Vegetables 』(Artisan)
- Matty Matheson『Matty Matheson: A Cookbook』(Harry N Abrams Inc)
- Robert L. Wolke『What Einstein Told His Cook: Kitchen Science Explained』(W W Norton & Co Inc)
- Barry Shelby『100 Classic Cocktails』(Abbeville Press)
- Graham Holliday『Eating Viet Nam: Dispatches from a Blue Plastic Table』(Anthony Bourdain/Ecco)
- DK編『The Story of Food: An Illustrated History of Everything We Eat』(DK)
- Peter Kuruvita『Lands of the Curry Leaf: A vegetarian food journey from Sri Lanka to Nepal』(Murdoch Books)
- Jim Harter『Food and Drink』(Dover Publications)
- Victoria Rosenthal『Fallout: The Vault Dweller’s Official Cookbook』(Insight Editions)
- Chelsea Monroe-Cassel『The Elder Scrolls: The Official Cookbook』(Insight Editions)
出典:Amazon.co.jpランキング(すべてのカテゴリ > 洋書 > Cookbooks, Food & Wine / Kindle版は除く)
今週の第1位は、レネ・レゼピと彼のレストラン「ノーマ」の発酵マネージャーが書いた『The Noma Guide to Fermentation』でした。
今週の月曜日にも、フード情報サイトEaterの「2018年秋のオススメcookbook」の一冊としてご紹介しましたので、詳細なレヴューはそちらのストーリーをご覧ください。
そして第2位にランクインしたのは、VICEメディアの動画「It’s Suppertime」や「Dead Set On Life」で人気のシェフ、マティー・マセソンの初のcookbook『Matty Matheson: A Cookbook』。
この表紙▲って何か図像の引用だと思うんですけど、わかります?
本書については、面白そうなので機会があればまたストーリーを改めてご紹介したいと思っています。
3位に登場したのは日本でも発売されている『料理の科学 1 素朴な疑問に答えます』の原書、ロバート・L・ウォルクの『What Einstein Told His Cook: Kitchen Science Explained』でした。
そして、今週ククブクが注目するのは、第7位にランクインした『Lands of the Curry Leaf』。
オーストラリアを中心に世界中で活躍しているシェフ、ピーター・クルヴィータによる、ベジタリアン料理のcookbookです。
著者のピーターは、オーストラリア人の母とスリランカ人の父のもと、ロンドンで生まれました。
父親の故郷であるスリランカで少年時代を多く過ごしたピーター。
その後、オーストラリアで本格的に料理について学び、シドニーやロンドン、合衆国やフィジー、ヘイマン島やバリ島のレストランでキャリアを積んできました。
島国でのキャリアが多いことでもわかるとおり、彼の得意料理はシーフード料理。
そして自身のルーツがあるスリランカ料理に多くのインスパイアを受けていることが特徴です。
2009年に発売されたピーターの最初のcookbook『Serendip: My Sri Lankan Kitchen』も、彼の祖母や叔母たちから教わったスリランカの家庭料理のレシピが、心温まる家族のストーリーとともに掲載されています。
今週7位で11月に発売になる本書『Lands of the Curry Leaf』は、そんなシーフード得意のピーターがベジタリアン料理に挑むというもの。
ブータンやネパール、アフガニスタン、インド、パキスタン、バングラデシュ、そしてもちろんスリランカからも集めたベジタリアン料理、ヴィーガン料理のレシピが100種類以上掲載されています。
野菜を使ったストリートフードから、
アジアの主食である米料理、
そしてもちろん、スリランカのカレーのレシピも載っていますよ。
ベジタリアンの流行でアメリカではインド料理が注目されていますが、スリランカもインドと同じように肉食のタブーがある国ですから、ベジタリアンのひとたちには料理のバリエーションを増やせるcookbookとしてスリランカ料理のcookbookは注目かもしれません。
しかしバリバリのシーフードのシェフでも、こういうcookbookを出す時代なんですねー。
といったところで、今週のランキングはここまで。
また来週をお楽しみに!