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大節約時代の到来に向けて

1週間の食費を2600円でまかなうcookbook

Junicci Hayakawa / 早川 純一
ククブク
Published in
7 min readAug 2, 2019

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先の選挙で国民の信任が得られたということで、10月からの消費税引き上げはどうやら確実なものになったようですね。

ぼくは消費税は富の再分配制度に真っ向から反する税制だと思っているので終始反対でしたが、多くのひとが賛成票を投じたんだからしかたない。

民主主義国家だからね。

こうなるとあとはいかにして自衛するか、なのですが、そんなときに参考になりそうなイギリスのcookbookが来年早々に発売になるようです。

イギリスの出版業界誌「ザ・ブックセラー」の7月12日付け記事からお伝えします。

セヴン・ダイアルズは4社の出版社が参加する24時間の期限付きオークションで、ローナ・クーパーの『Feed Your Family For £20 a Week』の出版権をその他複数の先買権とともに買い取った。

よほどうれしかったんでしょうね、出版社の公式ツイッターでもこんなツイートが投稿されていました。

クーパーは予算に基づいて献立を計画するオンラインサイト「Feed Your Family for £20 a week」の創設者。家族向けのレシピブランドでもあり、フェイスブックで50万人以上のフォロワーがいる。

こちらがそのページ。

20ポンドだから、日本円にすると現在のレートで2600円ほど。

1週間の食費をたったの2600円でまかなってしまおうというのですから、なんだか無理ゲーな感じがしますが、実際にそれを可能にしてしまうのがこのウェブサイトのすごいところです。

創設者のローナ・クーパー

エグゼクティヴパブリッシャーのアナ・ヴァレンタインは、カーリー・クック・パブリッシングのカーリー・クックから全世界出版権を獲得した。同書には100品のレシピが載っていて、2020年の1月に発売が予定されている。

ウェブサイトのほうには、こういった料理のレシピが600種類以上掲載されています。

ぼくなんかこれで充分お腹いっぱいになりそう。

この本には8週間分の朝食、昼食、夕食の献立計画が掲載される予定。さらにしっかりとした買い物リスト、高価な食材を代用する画期的な方法、金曜の夜の「フェイクアウェイズ」、そして残り物で作る料理アイディアなども載っている。

フェイクアウェイズというのは、”fake”+”takeaways”の造語で、レストランなどのテイクアウト料理をまねた自家製料理のこと。

ジェイミー・オリヴァーのウェブサイトにも、フェイクアウェイズをまとめたレシピページなんてものが存在しています。

ヴァレンタインは「セヴン・ダイアルズのラインナップにこの新しい料理ブランドを加えることができて、興奮をおさえきれません。ローナが『Feed Your Family for £20』のコミュニティーで成し遂げたことは本当に注目すべきことで、すでに『Pinch of Nom』と同レベルに達しています」

「Pinch of Nom」はすでにイギリスで成功しているダイエットレシピのサイト。

今年の3月にcookbook『Pinch of Nom: 100 Slimming, Home-style Recipes』も出していて、ダイエットと節約と目的は違えど、『Feed Your Family for £20』も同じくらいの成功が見込まれているようです。

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「彼女は高品質の食事を低価格で大衆にもたらすことに情熱を注いでいて、彼女のデビューcookbookを通じ、そのメッセージを強く送り届けるという仕事を彼女といっしょにできるのが待ちきれません。国内中のキッチンで必携の本になることはまちがいないでしょう」と語った。

3児の母であり、2人の養子も育てているクーパーは、自身の急病ののちにブログを始め、疾病手当が充分でなかったことから、家族の食費をそれまでの週100ポンドから20ポンドに削減しなければならなかった。彼女は特売品を買い、献立を考え、食材を代用し、残り物を使って倹約することでそれを達成した。この本ではそうしたコツがシェアされる予定だ。

こんなフェイクアウェイズや大皿料理の完成写真を見ていると、これ単品で20ポンドくらいしそうな気がします。

すごい技だな。

「オリオン・グループから初めてのcookbookを出せて、とてもワクワクしています。私がフェイスブックのページを作ったのは5年前で、それは多くの若い家庭が経済状況に苦しんでいるのを目にしたからです。彼らは限られた予算で家庭料理を作り、食材を最大限に活用し、残り物を使ってお弁当を作って、無駄を減らすための手助けをほしがっていました」と彼女は言う。

「人びとが健康的な食事よりもジャンクフードを食べたほうが安いと言っているのを耳にして、私は本当に心が痛みました。若い母であったとき、私も予算内で健康的でバランスのとれた食事を作らなければなりませんでした。でも決してあきらめなかった。今では無駄はほとんどありません。というのも、ひとつの食材を使ってどうにか間に合わせてしまうからです! 1週間にたった20ポンド以内でおいしい家庭料理を作って家族に食べさせられるということを、私は証明してきたんです。私やフェイスブックのフォロワーのように、みんなが決して尻込みしないことを望んでいます」

ローナ・クーパーのcookbook『Feed Your Family For £20 a Week』は、セヴン・ダイアルズより2020年1月9日に発売予定。

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はたしてイギリスだけでなく、食費の節約を目指している世界中の家庭のための救世主たるcookbookになるのでしょうか?

期待しましょう。

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ライター、フォトグラファー。わかさいも本舗さんのウェブサイトのコピーなど。海外の料理本を紹介するサイト「ククブク」は現在お休み中。ロン・パジェットの詩を趣味で訳してます。プロフィール画像は有田カホさんに描いていただきました。